Vol.477「農業始める?」

先週日曜日の朝、家で野菜のリストを入力していたら電話が鳴った。受話器から聞こえてきたのは何と中高校時の恩師の懐かしい声。一度beに食事に来て頂いたのが確か8年前、人伝で定年になられたと聞いていたが。。。

用件は農業についてのことだった。実家に結構広い田んぼがあり今後どうすべきか意見を聞きに行きたいと仰る。僕は作る方から売る方に転換した人間なのでどこまでご参考になることが言えるか分かりませんよとか言いながら、声をかけてもらったのが嬉しく、自宅でお越しを待った。

昼前にご家族で来られ、それから約1時間半あれこれ話した。状況をお聞きすると田んぼは地元の方に委託し一部を畑として使い始めておらるようだ。ご実家そばに圃場が数枚あり、それなりの広さがあって形も良い。水も来ており、農業機械もかなり立派なものが既に揃っているようだ。始めるには申し分ない状況。

問題は、まだ委託的に仕事は継続しておりフルタイムで農業するのは難しいこと。それと、農業をするかどうか、したいことかどうか悩んでおられること。住宅地の中にあり景観的に荒らすわけにいかず、やらざるを得ないというのが本音のように感じた。ご本人は“腹が括れるか”という表現をされておられた。

農業は「キツイ」「難しい」「儲からない」といったイメージを抱く方も多いと思う。確かに専業でこれで生計を立てていこうとするのであれば、そんなこともあるかもしれない。実際、新規就農をして辞めていった人も見てきた。

一方、まごやさいに出荷されている農家さんの1/3は定年退職後に農業を始められた60代の方々。普段接していてのイメージは「明るい」「楽しい」「やりがい」。そのイメージの背景となっているものは人それぞれなのだろうけど、声を拾っていけば、「作る楽しみ」「工夫が成果につながる嬉しさ」「食べる喜び、食べてもらえる喜び」などかな。

実は、新規就農者のうち約50%は60代、そのほとんどは小規模に始められる。そんな農家さんの野菜を流通に乗せるのが我々の事業で、その生産背景のユニークさと社会的な意味が、まごやさいがこの規模でもある程度注目をされる理由だと思われる。

「先生、あまり深く考えずにやってみたらいいんじゃないですか。結構はまるかもしれないですよ」と言いたくなるのを抑えつつ、色々話を聞いて客観的な情報提供に努めた。

ちなみに、まごやさいの出荷農家さんの中で元教師も結構いらっしゃる。皆さん、楽しそうに農業をされてます!

  • Facebookでシェア
  • ツイッターでシェア
  • LINEで送る